映像探偵団 

We are Footage Researchers

未来にそのまま残す 2024

いろんなものを未来に残すだなんて

そんなの手間がかかるし、全部保管って場所ないじゃん、

と言われがちですが(この間も管轄する役人に言われて怒°)

今の世界、爆撃や火山噴火や大地震で

すぐそこにあったものが失われるのをみてたら、

だからこそって思いませんか?

残したいと思ったって

いちばん大切な子どもの命が失われていく。

映像?そんなの食べられないし、後回しですよ。

でも「記録」を失っていいんですか?って語気が強くなる。

「お金がない、日本は貧乏なんですよ」って役人がいうか!

貧乏になる前に税金いくら消えました???

 

ゴジラ-1.0 観ました。

この監督の前作品、変なノスタルジーがあって

自分は苦手だったのですが

今回のはリアルな戦後に徹してる感じがしました。

神木くんのようにはなりたくない(役者名とごっちゃ)

戦争はいい意味なんてひとつもない。

で、映像の連なりをみて あれ?これって・・・

何度も使われている戦後の映像は

だいたい米国戦略爆撃団が撮影し

今はアメリカ国立公文書館保存の映像。

ここは出庫する時の実費だけ、他に使用料など発生しません。

今は4K(Ultra HD)でも出せる。

有楽町、日劇、闇市で麺を食べる、焼け野原に建つバラック小屋、

みんな、おんなじ映像を使ったりしますが・・・アングルに既視感。

たぶん1948年、闇市ではなく露店が並ぶ銀座のロングは

ある戦争特番で、あらためて探したものに似てる。

タイミングよく、その特番制作者で引退した人からメール。

この話をしたところ、他からも同じことを聞いたと。

これ別に悪いっていうことじゃなく、こうして

映像は保存され、活用されていく、っていうことで

選んだ方も嬉しいよね、という話ではあるんですが。

でも、大元の、撮影時のフィルムのまま、保存していく必要性は

あらためて感じました。

これ、作り物でしょ?ではなく、ちゃんと

資料映像があってのこと。

 

最近、テレビを見ない家庭が増えて

日テレが繰り返し放送している「魔女の宅急便」など

配信のないジブリ作品を

知らない子どもたちが増えているそう。

ということは、「火垂るの墓」も?

70年前の子どもたちの悲惨さも伝わりづらい時代なのか。

配信は自分でチョイスするだけに、偏りがちです。

あえて「みに行く」ことをしないと

いろんな映像、映画が忘れられていってしまう。

 

大晦日、札幌の超音のいい劇場Hitaruで

ジルベスターコンサート。

たぶん上階で聞いた方が音が届きやすくてよい感じかも、

初だったので、当日券、3階の一番前を確保。

札幌に縁の深い坂本龍一の「戦場のメリークリスマス」も。

司会が「この曲はピアノソロしか知らない方も多いと思いますが」

え?もうそんな懐メロ扱いに?

ずっとオーケストラバージョンもピアノオンリーも聞いてきましたよ。

アレンジ担当した方の説明では

この曲は、さまざまな国の民族音楽が入っているとのこと。

最初聞いた時は、日本の鹿おどしのような、竹っぽい音が印象に

残りました。以来、自分のなかではベスト3の楽曲。

坂本龍一の楽曲でさえ、初回公開バージョンが届かなくなっている。

「戦場でもクリスマスはあるんだよ」

2023年、いちばん届いてほしいメッセージだったのに。

 

最近若い世代に興味のある番組を聞いたら

再構成モノ、いろんなところから一部を引用して

(それはアーカイブの活用としては正しいのですが)

細かいイメージ映像を多用した番組でした。

「それ、元番組は〇〇で・・・」

どうしても元番組で伝えたかった情報を

この人たちにも伝えられないか。

 

NHK紅白 事前情報より企画力が突き抜けてました。

YOASOBI の🎵アイドル に日韓のアイドルグループが

キレキレでパフォーマンス。

これ、海外で観てる人たち、うらやま!だったのでは。

NHKホール行きてーってなりますよ。

 

変なノスタルジーに陥りがちな昭和の名曲も

50年スパンで歌を選んでいくとこうなります!的な演出で、

歌い手も最良の仕上げっぷりで

今までの忖度チームが消えていくと

こうして実力勝負に戻っていくのね、と良い紅白でした。

(けん玉はやめましょう)

紅白合戦は源平合戦由来です!みたいな

男女で分ける、じゃなくて、

いい意味にスライドしていくのもありなのかな。

かつて紅白名場面集に携わったことがあるので

次の100年には、とてもいい記録として残りそうと感じました。

 

とまぁ、元旦から、去年の暮れ、こんなことがありました!報告に

なっちゃいました。

本年も未来にそのまま残す仕事を続けたいと思います。

#札幌文化芸術劇場 #Hitaru ここでオペラみたーい