映像探偵団 

We are Footage Researchers

権利の塊

これ、自衛の意味も込めて書きます。

映像は権利の塊です。音楽や書籍より複雑です。
写ってるモノ、場所、そしてただの通行人、
背景の写真も無断使用になる可能性ありますよ。

先月、去年の仕事をご一緒したCM制作会社の方から電話いただきました。
権利の塊の見本のような映像をリサーチしてくれと。
五輪です。
昨年の仕事は権利者側に立つ所からの依頼だったので
リサーチ&試写の「権限」もありました。
コピーもできました。
そのデータをお渡しする時、消去するよう伝えています。
でも、最初だけ責任者がいて、その後のデータの受け渡しはADさんだけ。
渡す時、HDDを返却してもらう前、データ消去するよう伝えてたけど・・・

電話はその権利の塊の映像のご相談。
去年の仕事の担当者からの「紹介」、初めてお話しする方です。
電話の内容はその「権利の塊」の権利者や権利処理方法や連絡先等・・・
管理組織の名前もお知らせしました。
手元にある映像を「使い回し」前提で、許諾を得ようとする。
もしくは違法にアップされているネットの映像を仮編集してプレゼンする。
これ、とても怖いことなんです。
(3組織くらいに怒られました)


たくさんなんでもあるように思えるネットや有料ライブラリー、
実際に検索してみてください。
必要な映像、出てきますか?
商業目的は使用不可ってなってませんか?


五輪のスタジアム観客映像も要望、
観客の権利を全部一人ひとり取るんですか?
撮影許可を持つ放送局が
放送(送りっぱなし)するのは可能ですよね。
でもそれをCMで二次使用するのは全く別の話です。
スタジアムに行った時の自分の顔がいきなり
テレビCMに流れてたら、どうします?

五輪権利者が全部の映像を持ってるわけではないんです。
使用許諾の次は
その映像をどこが撮影していたのか、その管理部門はどこか。

以前違う業務で使用した、その時の権限だけの、
本来消えてないといけない映像が
「ある」のは問題なんです。
それを「うちから出してもらった」
なんてことになったら、また怒られてしまいます。廃業・・・

映像画像、その他データ受け渡しの時、契約書交わさないとマズイくらいに
「ネットで簡単に拾える」と思ってしまってる方が増えました。
プロなのに・・・

追記:5月12日、権利の塊は利権の塊でもありました。