「映像」という言葉は、昭和に入って、
テレビ放送が開始されてからの造語だそうです。
言葉を探すのはネット上では簡単になりましたが、
「映像を探すこと」はいまだ骨の折れる作業です。
「イメージを伝えるのが難しい・・」なんてよく言いますし。
「雲」といわれて、青空?暗雲?季節はいつ?流れる方向は?
googleで動画検索をしたり、
数ある映像ライブラリーで検索しても、
自分で思い描いている映像にたどりつくのは結構時間がかかります。
「サバンナの夕景」も、
そこに映っているキリンが必要なときもありますし、
美しい夕日だけがほしい、ということもあります。
大地や木の陰の少し暗いところがざらついていて
画質のクオリティを求める展示映像としては使用できないかもしれない、
でも子供たちを対象とした教育用ならとても喜ばれるカットになる。
いまだよく言われるのが「花」の映像。
国内の花か、それとも海外の撮影のものか
日本古来の花か、品種改良された花なのか
花屋さんの店頭にあるようなあでやかな花か
高い山で風になびく小さな白い花か・・・
以前頼まれたのは「画家が描いてきた花」
あんまりパキッとクリアな花の映像より
絵画的な色合いのもの(これも微妙な表現ですが・・・)
これもキーワード検索では出てきません。
「ひまわり」の検索結果数百件分を
ただひたすら試写していくだけです。
ひとつの画面にいろんな意味が盛り込まれてしまう映像は
とてもデータベース化しづらいものです。
人の記憶の中の、いつかみた映画やテレビのワンシーンを伝えあって、
いくつもの言葉を重ねて、
お互いの頭の中のイメージを共有することから、映像探しは始まります。